ここに「サイモン・ヴィーゼンタールセンター」の主張と活動を知る上で、非常に興味深い取材記事がある。
『新潮45』(2000年12月号)に掲載された、『特別インタビュー 「ユダヤは怖い」は本当ですか? 「サイモン・ヴィーゼンタールセンター」のアブラハム・クーパー副館長に聞く』という新潮社編集部の取材した記事である。
●この取材記事の中で、「サイモン・ヴィーゼンタールセンター」の副館長であるラビ、アブラハム・クーパーは、南京虐殺事件と原爆投下について驚くべき見解を披瀝している。
取材記事の一部分を下に掲載しておくが、これは、日本人にとっては看過することのできない内容であろう。
〈南京虐殺事件に関して〉
◆編集部 : 「サイモン・ヴィーゼンタールセンター」は『ザ・レイプ・オブ・南京』を書いたアイリス・チャンをサポートしていると報じられています。けれど、彼女の本には多くの間違いがあることが指摘されています。
◆クーパー: アイリス・チャンだけではなく、本多勝一氏を招いてフォーラムを開きました。多くのアジア系アメリカ人の活動家がこのフォーラムに参加してくれました。
◆編集部 : アイリス・チャンと本多勝一という人選はあまりに偏っています。否定派は招かないのですか?
◆クーパー: センターとして色々オープンな形で受け入れるけれども、「犠牲者はわずかに3、4万人」というようなことを口にする人を講師として招くことは、絶対にしません。
〈原爆投下に関して〉
新潮社編集部の「第二次世界大戦で人類に対する明らかな犯罪が2つあったと思います。ひとつはホロコースト、もうひとつは原爆投下です。その責任追及を『サイモン・ヴィーゼンタールセンター』がする予定はないのでしょうか?」の質問の中で、次の問答がある。
◆編集部 : 原爆による無差別爆撃の事実は明らかで、これは戦争犯罪ですから、アメリカの戦犯追及を考えるべきです。
◆クーパー: 率直にお話ししますが、個人的に言うと、私は原爆投下は戦争犯罪だと思っていません。
◆編集部 : それは納得できません。非戦闘員の殺害は明らかに戦争犯罪じゃないですか。
◆クーパー: ノー。戦争というのは非常に悲惨な出来事なわけですけれども、2つの原爆を落としたことで、戦争が終わったという事実はあるわけです。もしトルーマンが原爆を落とさなければ、さらに多くの死傷者が出たでしょう。
と言う有様だ。更に付け加えさせて頂くとアイヒマン裁判で焦点となった1つにアイヒマンの弁護側が争った問題が、当時建国されてなかったイスラエル政府にアイヒマンを裁く権利があるのかという点だった。
これについて判決は「何百万人というユダヤ人を殺戮したナチスの犯罪は、「ホロコースト」生存者のための国家が樹立される主要な原因の一つであった。それ故、ホロコーストの根元と当該国家(イスラエル)を切り離すことはできない」と述べ、ホロコーストとイスラエルとの間には連続性があり、それ故に裁判を行う正当性があるとの判断を示した。
アイヒマンは上告したが却下され、刑は1962年5月に執行された。遺体は焼かれ、灰は地中海に棄てられた。
であるならば「ホロコースト」がでっち上げられた連合軍とソビエトが作り出した噴飯物のファンタジーだった場合にはパレスチナ人を虐殺しアラブ民族社会主義を破壊せしめた「仮初め国家イスラエル」はアイヒマン同様に地中海の藻屑と消えるべきである。